がんばる力
「この曲絶対無理だよ!難しすぎる!弾けないよ!」という生徒の叫びを聞くことがあります。
それは教材がレベルアップしたときや発表会曲でいつもより難しい曲にチャレンジするときなど。
楽譜をぱっと見ただけでも頭がくらくらしてきて、思わず楽譜を閉じたくなってしまう気持ちよくわかります。
実は私も小さい頃譜読みが苦手で、こんな難しい曲一生かかっても弾けないよ~😭と心の中で叫んでいたことを覚えています。
ここからは音楽教室で教えているFくん(当時年長さん)という男の子のお話しをします。
はじめての発表会に向けて、曲を練習しはじめた時に冒頭の叫びを訴えました。
私は「Fくんなら絶対弾けるようになるから大丈夫!」「先生は弾けないと思う曲は絶対渡さないよ!」と伝えました。
それでも「むりだよ~😭」と頑なに拒み、だんだん涙目になっていき、最後には怒りに変わっていきました。
今までFくんはそのようなことがなかったので、はじめての発表会にとても不安や恐れがあったのだと思います。
私は一瞬曲を変えた方がよいか考えましたが、ここを乗り越えて成長するFくんの姿が想像できたので
「じゃあわかった。もし、本当に弾けるようにならなかったらそれは先生の力不足だから、先生が責任とるよ。でも、その代わりこれだけは約束して!Fくんがもうこれ以上は練習できないって思うくらい一生懸命がんばること!(もちろんただ練習回数や時間を多くするのではなく、レッスンで伝えている効果的な練習を思い出しながら、自分で考えて練習することが大事になってきます)」
すると「うーん、、、わかった。」と半信半疑ながらも約束してくれました。
それからは地道に片手ずつを練習し、両手合わせる関門も頑張って突破することができました。
数週間後にはスラスラ弾けるようになり、レッスンでは得意げに披露してくれました!
発表会が終わっても大好きなレパートリーの1曲として、自分からレッスンで弾いてくれます♪
発表会後にふと、「やっぱりFくんはやればできるじゃん!」と言うと、なんのこと?と首を傾げましたが、 はじめの苦い記憶を思い出すと、ちょっと照れくさそうに笑いながらも、力強く頷いてくれました✨️
一生懸命がんばって、自分が気づかない間にたくさん成長できたFくん!
本当にがんばってくれてありがとう!という気持ちでいっぱいです。
ちなみに、Fくんは現在高学年のお兄さんになりましたが、今でもピアノをがんばっています。
学校の後、直接お教室に来てレッスンし、その後すぐに塾に向かいます。塾も週に何回もあり、他にも習い事をしたりと、とってもハードなスケジュールの中でも一生懸命がんばっています。発表会にも毎年出て、自分の好きな曲を選び「わあ、難しそう〜」と言いながらも、自分の力を信じて一生懸命取り組んでくれます。
ひとりひとりの成長をそばで応援できることが、この仕事をしていてほんとうによかったなと思うことのひとつです♡
長文を読んでくださりありがとうございます。
ピアノを通してたくさんのお子さまたちの力になれたらうれしいです🕊️
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